タンデム自転車交流協会

タンデム自転車で街を走りたい

タンデム車に乗ってみよう

初めて乗る人たちへのアドバイス

タンデム車ってどんな自転車?

こんな自転車です。 二人分のハンドルとペダルとサドルがあります。 前後のクランクはチェーンで連動しています。

キャプテン、ストーカって?

運転する人がキャプテン。 ペダルをこぐだけの人がストーカ。 ストーカってのは、機関車に石炭をくべる人の意味です。

走り出す前に

最低限守って欲しいルールを挙げておきます。 自転車だといいかげんに走る癖がついている人もいますので、念のため。 自転車は車両ですから、車両として振舞わねばなりません。 タンデム車は自転車にしては大きいのでなおさらです。

  1. 左側通行
  2. 信号の遵守
  3. 歩道を走らない

準備

練習

キャプテン一人で乗ってみる

キャプテンが一人でタンデム車を乗り回す。車体の長さを覚えること。

乗り降りの注意

乗るとき: キャプテンが先、ストーカが後

降りるとき: ストーカが先、キャプテンが後。

この癖をつけておかないと、キャプテンがストーカに回し蹴りを喰らわしたり、ストーカが足を地に降ろす前にキャプテンが自転車を離れたりという悲劇が起こります。

ストーカを乗せる

踏み出しやすい位置にペダルを動かして、せーのでペダルを踏み出す。 これでとりあえず乗れます。

走りながらおしゃべり

後ろの人の声は前の人に通りやすいのですが、前の人の声は後ろに通りにくいです。 ちょいと横を向いて声を出すと良く聞こえます。

ブレーキをかけるときに声をかけよう

安心しきったストーカは、キャプテンに頭突きを食らわします。

前の様子を伝えよう

後ろの人は前の様子がわかりません。 キャプテンは段差が見えているから身構えることができても、ストーカには不意打ちです。

急にカーブされてもびっくりします。 慣れるまでは「曲がるよー」と声をかけること。

もっと上手に乗るには

タンデム車と一人乗りの自転車の違いを理解する

二人で乗ります

当たり前すぎ? でも、ストーカは前の様子がわかりません。 キャプテンは責任重大です。

キャプテンがストーカに逆らうことは禁じられています。 ストーカが止まりたいときに止まり、ストーカが望むように走らねばなりません。

キャプテンはストーカを快適に保つ義務があります。

足がペダルから外れちゃうことがある

前後のペダルが連動しているから、好きなときに足を止められない!

なくて七癖。 自転車に乗っていると無意識にペダルを踏んだり止めたりしているものです。

そのタイミングが合わないと、ペダルから足がずっこけちゃいます。

足がペダルから外れると戻せません

回っているペダルに足を乗せ直すのはむずかしいです。 ペダルがすねに当たると痛いです。 すぐに足をとめないと。

足がペダルから外れたら、パートナーに声をかけましょう。 いったんペダルを踏むのを止めて、両足をペダルにしっかり乗せ直してから、せえのでペダルを踏み始めること。

ズボンの裾と靴の紐に注意

一人ならチェーンに裾が引っかかったら、足を逆回しすれば、裾が汚れるだけで済みます。 タンデムだと、もう一人がペダルを踏み続けていますから、足はすぐに止まりません。

ズボンの裾とか靴のひもがチェーンに巻き込まれないように、あらかじめ対策するのが肝心です。

勝手にペダル踏めないなんて、めんどくさいねえ

いえいえ、それこそがタンデムの醍醐味です。 ペダルを通して伝わるナニカを使って阿吽の呼吸で走るのが面白いんです。

キャプテンの作法

いつもより丁寧に

穏やかな操縦を心がけること。 遠くにも気を配り、予測運転を心がけてください。 とっさの動きや速度の変更[1]ができませんから。

物(車、ガードレールなど)の近くを走らないこと。 カーブは特に注意。タンデムは内輪差でかいんです。

前ブレーキを主体に使う

タンデム車は前転しませんので、前ブレーキを主体にしっかり制動してください。 そうしないと制動距離が伸びます。

ストーカの作法

操縦しちゃダメ

動かないハンドルを動かそうとすると、タンデム車は不安定になります。

自転車に乗りなれている人ほど、無意識にやっちゃいます

ついでに体重移動もしちゃうものです。これも不安定になる原因です。

お上品におしとやかに

後席で暴れないでください。

ボトルを取ろうとしたり、キャプテンの肩越しに前を見たりするだけでも、自転車を傾けてしまうことになります。 そんなことでも操縦に影響がでます。 最初のうちは、何をするにもキャプテンに一言よろしくお願い申し上げます。

ペダルも滑らかに回すことを心がけてください。 一生懸命踏むより安定してよく進みます。

ちょっと辛抱[2]

キャプテンとストーカは自転車の乗り方が違っていて当たり前です。

ペダルを踏むリズムとか、足を止めるタイミング、カーブの曲がり方、ブレーキのかけ方、みんな違います。

阿吽の呼吸でタンデム車を操れるようになるには、譲歩というか妥協が肝心です。

最初の数kmはヨタヨタして大変なはずです。 二人ともベテラン[3]だとすると、チームとしての一体感が出るまで、1000kmの辛抱が必要かもしれません。

それでも一日乗っていればいつものように走れるものです。

それぞれのペアによって妥協の着地点は違います。 こうあるべきというものはありません。 妥協点は自分たちで探すものです。


[1] とっさの動きや速度の変更
タンデムも慣れれば一人乗り並に俊敏に動くこともできるんですが、慣れない自転車なのですから慎重に走りましょう。とっさの動きに頼らないと危険回避できないってのは、その時点で危険回避できていないんですけれどね。
[2] ちょっと辛抱
もしかしたら、かなり辛抱
[3] 二人ともベテラン
自分の乗り方はなかなか変えられないもんです。ベテランともなるとなおさら。

文書最終更新日
2009-06-20